地面にしみる砂嵐の音 光の反射がきれいで目に染みる 確かにここにいるんだな 優しい温度で降る 棘がつんと刺す 花の季節も終わり 滴り落ちる名残惜しさを乗せて 雨が雨が、 降るたび思う 歩かなければこのまま 止まないのではないか 髪を髪を、 伝って零れる雨粒を眺めていれば 優しさを落とさずに済むはず 申し訳なさに傘を差した 晴れていた空は鈍色になって 影の切れ目ばかり気になって 糸雨に降られた 風も吹いて肌寒い 心を置いてすすむほど日は折り返す 値の付いた花枯れを 羽を羽を、 休めた鳥たち それを受け入れるだけの器で 在れたなら 先を先を、 急いて崩れた優しさの 複雑な雲間に名前を付けないで 暖かな雨がさみしい 溢れた言葉を傷口に貼って 溢れる心を水たまりに隠して 跳ねた水面に映った景色が 今でも僕はあの頃のまま 雨が雨が、 雨が雨が、 降るたび思う 儚い心模様を水滴で流してしまって 灰一色のまま影を連れてこないで 優しさも愛しさも錆びてしまうから 流れる雲に溺れて