いつから 飛べるってことに気付いたのか もう 境界はぼやけているけれど 見下ろした景色はただ ひたすら自由で 眩しすぎたことは覚えていて あなたが地上で手を振ると わたしはぐるりと旋回して 綿雪のように羽を降らせた そうして出掛けたら どこまででも高く遠く 世界を見渡して 花冷えに木の芽 夏空から星のヒナを おみやげに咥えていくの この出会いがずっと前から 決まっていても そうじゃなくても どちらでもいい 今目の前にあるもの 信じたいもの ただ真っ直ぐに見つめたいから わたしが着地点に迷えば あなたが先回り灯涼し 帰る場所を知らせてくれるの そうして降り立てば いつまででも ふたり話 花を咲かせ続け 秋澄みに瑞穂 月冴えから銀のパールをおみやげに それから 明日の話を どこまででも高く遠く あなたと見渡しに行く