耳を占める蝉時雨に 心までも躍らせちゃって 今日ぐらいはって思い切って スカート 8月、揺らめく海の色 陽炎漂うアスファルト 息も詰まるような温い風 なんてことない夏 なんてこともう言えない 曖昧な距離で触れ合う肌だけじゃ 分からないよ 君はどうだろう 今年はいつもより暑いよね? 指先こぼれた 無闇に溶けるアイスクリームから 急かされて誘われて やけに火照る体隠すように 口に放り込んだ味のないバニラ 「どこまで行こうか」 ふたり止める足振り向くまま 目なんか逸らせなくて ねえ、その意味を教えてよ 感じてる暑さは 夏の所為じゃないんだよ 気付いてる? 嫋やかに鳴った鈴の音 優しい色が耳を打つ 態とらしく澄んだ空気 纏っていた 考えたって堂々巡る 戸惑いくすみ 日の長ささえ 憎らしいほどに 焦るこの胸が煩わしい このままじゃいられない 凪いだ夕間暮れ 伸びる影 隠す深層 気泡、弾ける間に 流れゆく漣 素直になれるなら まだ終わらせない ふたりだけの同じ夏 指先こぼれた 無闇に溶けるアイスクリームから 急かされて誘われて やけに火照る体隠すように 口に放り込んだ味のないバニラ 「どこまで行こうか」 不意に 指先に走った 触れる知らない体温の ねえ、この意味を教えてよ 残ってる熱さは 夏の所為じゃないって 信じてる