漏れた溜息の音が夜中 台所の方から聞こえた 僕は寝たふりをして過ごしたが犬は 吠えて 今日もまた駄目だ 皿が割れて水は溢れた いつかぶりの怒声が響いた 誰も悪くないのに何故また みんなが泣かないといけないんだ 床に染み込むまで 待ってられないからって布巾で 拭こうと シミは広がり滲んで 悲しみは無限に増殖して成り下がる 不幸にも 楽に笑える道はない 諦めてしまえたら それが一番楽かも だけどそれじゃきっともう笑えない 今はただ祈って死んだふり 夢は見れない どうしようもなくて ただ溢れるのを止められなくて 凍りついたドア 開けるキーも氷になってしまった 誰も入れないんだ 心の奥の部屋には 僕しかいないから 誰か迎えにきてよ 今もまだ 孤独のリビングで