百年千年前の物語 僕が君と出会う前の話さ 憂鬱な言葉と詞を浮かべ 夕闇に染まる夜に眠る 嗚呼 雨が降っては止んでを繰り 返す 揺れる波の奥にさらわれそうでも 耳を澄ます 僕の手のひらから 零れ落ちた記憶を辿って ゆるやかな存在が廻り出す 遥か遠く色の無い世界で 彷徨う寄る辺の 砂に埋もれてゆく 夢から覚めても 消えない明日を知る 単調な日々を繰り返す 季節は巡り 幽遠性の満ち欠けを眺める焦燥感と 平衡している 僕の心の奥底から 溢れ出す音の届く その限り ほら 十年百年前の物語 僕が君と出会った頃の話さ 退屈なこともそうでもないことも 全部まとめて仕舞い込んだ 朝焼けのキラキラ輝く海辺に 寄せる波の音に掻き 消されないように そっと君の隣に座り込む 覗き込んだ記憶をさらって ゆるやかな存在が動き出す 僕と君と 戻れない世界を旅する 夜明けに 黒く濁った空を晴らす 魔法を唱える日々を見つめる 曖昧な僕らを取り巻くすべての 答えのないような 問い掛けに迷い 彷徨い歩く僕だけど 君の心の奥底から 駆け巡る色の届く その先に ほら いま 漠然と考える不安のような 言葉だけでは言い表せないこと 嗚呼 灰色の未来を掻き消すような 星降る夜に見つけた光から ゆるやかな存在が溢れ出す 僕と君と ありえないくらいの共鳴感の漂う 終わりのない道を遠回りして 笑いあったり泣いたりする 単純に僕はひとりぼっちでさえ 構わないと思ってた そういうことも いつか笑い飛ばす物語に 君の隣でゆっくりと歩いてく 歩幅さえも分からないけど