いつもより遅く起きた朝は 晴れていませんようにと祈るの 「また来るね」と 置いて行った時計だけが 時を刻む 君にちょっと不満で 会いたくないよって言った あの日のたった一言が 二人のログ 最後の言葉になるなんて 一人きり待った雨の土曜日 冷たい鍵盤 見つめたまま 窓を叩く透明な音符 後悔も思い出も消して サヨナラを弾くような雨 届かないとなおさらに焦がれ その棘が痛いことも忘れた 時に君が伏し目がちでいるのも 気が付かずにいた 駆け回るゴシップ 他人事と流した ただ君に愛された そんな日々の裏側さえ 見ないふりした 一人 待ち合わせした公園 少し錆びたブランコ 泣いてた ねえ 君は今 笑っていますか? 答えもなく頬に落ちた 長い後悔のような空 それぞれがきっと 傷つけぬように繰り返す小さな嘘 雨音はそっと スタッカート重ね隠してゆく 君がずっと言わない一言が欲しくて 連絡もしないまま 置き忘れて閉じた傘を開けずにいた 一人きり待った雨の土曜日 冷たい鍵盤にそっと触れた 頬を伝う透明な音符 後悔も想いも映して サヨナラって見上げた空