濃(こま)やかな雨の後に 広がる空の隙間 通り過ぎる季節に心は滲むけど 刹那に消えた虹のように 想い出の中 色褪せずに 今も残る 青春の影 風のない街で 幻みたいに この胸を吹き抜けた 永遠(とわ)の微熱 振り向けば遠く遥かな道は ああ 何を教えてくれた? 移り行く時代(とき)の中で 果てなき旅は続く 遠ざかる雨雲が町の色を変えて 閑(しず)かに開く夏の扉 木漏れ日揺らす蝉時雨は 今はどこに? 静寂の午後 風のない街に 花びら ひとひら この胸をすり抜けた愛の形 アスファルトに咲く名もない花の 命が儚く萌える 風のない街で 喜び 悲しみ いくつものため息は空に消えた 明日へと続く遥かな道を もう少し遠くまで行こう 風を 求め