全て終わったその後で 去ってゆく背中に 裾に隠し持ったトカレフを 引き抜く勇気もないまま 潮騒が耳を占めて囁いた いつか何処かで読んだように 焼かねばならぬと ガソリンをかけて 思い出の品をも全て 燃やせば 煙になり あなたの目にも恐らく 留まるでしょう 全て燃やしたその後で 気付いたのだけれど 物は燃やせば済むものの この記憶はどうすべきなの? 潮騒が三度 後ろ髪を引くけど 能天気なラジオは小さく絞って! ガソリンを被って この身を焼き尽くせば 私は煙になる! 自由にあなたに会いに 行けるでしょう 私は煙になる!