待っていたけど 待ってなんかいなかった エレベーターなんて 永遠に来なきゃいいって 思った でもやっぱり ちゃんと それは やって来た 私はただそこに乗り込む 10, and 9 8 7 6 and 5 止まらず ゆるやかに 4 and 3 2 and 1 まるでカウントダウンみたい そうね このドアが開いたら 歩きだしたら 本当にこれで終わってしまう 戸惑いの向こうに 望まない明日が エントランスの外で待っていた 分かっていたけど 分かりたくもなかった 真実なんて 誰かに食べられちゃえって思った 気づいていない ふりをしながら抱かれていた そのくらいには 私だってズルい 1 2 3 4 and 5 思い出 数えながら 6 7 8 9 and 10 ウチの前に到着 ひとりで「さよなら」呟く 代わりに咳払い キーを差し込み ノブを回した 「ただいま」呟く 代わりにため息 響いては落ちて 消えていった ボタンを押して どこか途中で降りていたら… なんて…出来るわけもなかった 寝たフリしてるあなたの くちびるに 最後のキスを このドアが開いたら 歩きだしたら あなたのいない日常は始まる 例えその日々が 後日談のようなものだったとしても 生きていくの 「おはよう」 誰よりも自分に言っていた まるで何もなかったみたいに 思ってたよりも うまく笑えてる 自分が可笑しくて また笑った そんなに悪くないって思った そう言い聞かせて ドアを閉めた