消えそうな膝を抱え救い無き夜を待 ち 生温い風の中君を呼び飛び出した 閉ざされた真夜中の街角でじゃれあ って 錆び付いたシャッターが耳障りに軋 んでいた 咎める様に 紅い月が昇る 長い永い夢が終わり目覚めたままの 僕達は 愛の言葉ひとつ思い出せぬまま 眠い瞼を抉じ開けて噛み付く様に口 付けした 風と同じ錆びた匂いを感じた 意味の無い擦れ違いが苛立ちを撒き 散らし ざわついた群を離れ愛の意味を探し ている 嘲るように 紅い月が嗤う 長い永い夢が終わり目覚めたままの 僕達は 偽る言葉など必要ないから 眠い瞼を抉じ開けて噛み付く様に口 付けした 君の願いを今見付けた気がした ウェイル マリス 意味を失くせ 快楽に染まれ 長い永い夜が終わり目覚めたままの 僕達に 愛の言葉なんて必要なかった そっと瞼を伏せながら噛み付く様に 口付けした 差し込む光から傷は癒えて行く