初めてのくちづけは 卵のような味がした 冬にだけ山に来る 七つも年上の人 セーラー服の丈を 3cmだけ上げた 少しずつ熟れてゆく 私の線を見抜いて 陽は落ち 群集が 山を下るのを 何か期待してまってるの ちぎれる雲の音を聞いた ふたりだけの雪山 恥じらう頬が赤く染まってく 私から手をつなげない くちびるに脈を打つ その先に怯えた 雪の夜 三つ編みほどいたなら 鏡に素肌写した うなじから撫でたなら 目を閉じて感じてみる お母さんがつけてた 真っ赤な紅を塗って 歌いながら誘いにゆく 獣の香り散らして 葡萄が弾けるよ。 だから焦るように 疼くふくらみを見せたいの ちぎれた雲結ばれてゆく まわりだすうさぎの森 ゆっくり指先に触れてゆく その手が探るボタン どうなっても構わないと スカートを濡らした 冬の夢