ケーキとコーヒーで1600円も払って キミが「おいしいよね」と笑った この笑顔はいくらで 買ったことになるの 「空ってさ毎日新品に 変えてるみたい」 キミが真剣な顔で言った この言葉はいつまでも覚えておくよ 旅先で無駄なもの買うことが 可愛くて可愛くて もうひとりなんだから ここから引っ越そう でも絶対体にへばりついてる 耳にはキミの声 腕にはぬくもりが 肩に弱い重み あぁ無意味だ 真っ青な空の下 「1万歩超えた」と言った キミはやたら嬉しそうだった このひとコマ 代々受け継いでいくよ 自宅でトーストと 半熟たまごを食べて キミが「幸せ」とくねる この部屋から一生出なくてもいいや 「足袋ソックス履くのが 難しいんだよぉ」 可愛くて可愛くて もうひとりなんだから ここから引っ越そう でも絶対全てにへばりついてる 町にはエピソード カフェには知り合いが 壁に画鋲の穴 あぁ無意味だ クッションの中に キミがいる気がするんだ 本気だよ クッションを引き裂いてやろう 耳鳴りして止めた 腕っぷしなんてない 固くて弱い重り あぁ無傷だ 人はみな似て非なるものだけど キミは誰にも似てない非なるもの