壊したいほどに欲しいものは 壊れない糸でできた羽 届かない空に望むのは 終わりのない深い闇の音だけ 汚して汚して 美しいこの世界 燃やして燃やして もう見えないように 溢れかけた涙ごと 灰になってもかまわないの 燃やしきって この身が残らないほど もっともっと 焼けて焦げたこの羽で 憎しみの蝶になるの もう見えない このまま目を開けず ずっとずっと そう祈った 薄紅色似合うと笑った あなたといる夢を見ていただけ 忘れたくないと空に願った あの日からもう随分遠くへ どうしてどうして かりそめの世界 あなたがいたなら 何もいらないのに こぼれ落ちた涙ほど 美しく燃え上がるの 抱きしめて まだ逃げないように ぎゅっとぎゅっとぎゅっと 胸に刺した一枚の羽は あなたに残すの 小鳥だって 囀れなくなる 雪のような灰の世界で 青空が見えない この場所はもう嫌い あなたに会いたい 叶わぬ夢なら 溢れ出した涙ごと 燃え尽きてもかまわないの 溶かしきって この身などいらないから もっともっと 最後に残った羽で 憎しみとさよならしよう 舞い上がった羽が あなたに届くといいと そう祈った