はぐれた月 彼方の淵から こぼれ落ちてくる 私の涙が 染み込み 根を肥やして あの深緑の 森の木々を育てた 嗚呼 不可思議 この風景 果たして 現実か 夢か 私の未来か ゆらり 風に揺られて 私は見ていた 靄(もや)の奥 不確かな あなたの面影を ずっと 絶えなく 世界は 悲しみ 繰り返す だけれど 鳥が鳴くときに きっと機会は 幾度でも訪れる 人々に赤い実を授け 夢… 夢かな? 夜風が吹き過ぎ 靄(もや)は晴れてゆく 私の王子は 佇み 手をひろげて 歌い始めてる 森の木々の下 「僕の歌は 愛の歌だよ」