空は広いなんて当たり前のこと わざわざ 口に出さずともわかってるよ 羽のひろげ方も存外に悪くないって 言いきかせている 悪くないって 飛び方を忘れた群れ 遥か高く高く漂うはぐれもの みんな同じ 赤く赤く焼ける空に焦がされる 心臓とは裏腹に 凍てつく吐息 水面に揺れて映る醜いアヒル 「いや違う、白鳥だ」 空高く舞い上がる もしも 飛べない飛べない 飛べないというなら 声を枯らして枯らして枯らして 歌うから 生き抜く強さを強さを強さを 持てぬなら ああ せめてこの声が届く届く届く この場所にいて 焼けて加速するハートビートで その先へひとっ飛び 声に浮かぶ感情 掴みとるために羽ばたく 私しかいない 私がいる 超高層のビルの屋上 そのさらに上を見上げる この空に咲く陽花になる 雲間に覗く星は閃光穿ち 「眩いくらいに」 夜さえも照らしてゆく この小さい小さい小さい灯は きっと大きく大きく大きく燃え盛る 色めく世界は世界は世界は優しくて その頬は染まりゆく 朱く 紅く 赤く もしも まだ飛べない飛べない 飛べないというなら 声を枯らして枯らして枯らして 歌うから 生き抜く強さを強さを強さを 持てぬなら ああ せめてこの声が届く届く届く この場所にいて