知らない風が吹いて 一つ手放して 翻る布のささやきを いつの日にか聴いたこと 膝を立てたまま 眠る 蒼いビニル まだ術をさがしている 踏みつけた 裸足のまま 私 格子みたい 広がって ままならないな 痩せこけた野犬の目を今も 覚えているよ 橙色のしゃぼん 跳ねるようなスウィング 大好きだったはずだけど もう わからないな わからないな 懐かしい 発音で 眩しいね 戻れないね きっと ここはまだ楕円の中 ひしゃげた車 決意のような産毛が ほら 光っていたよ あの藪を抜け出た先には 私だけの秘密がある そう思っていた そう思っていたっけな 踏みつけた 裸足のまま 私 格子みたい 広がって ままならないな 痩せこけた野犬の目を今も 覚えているよ 夜汽車はゆくよ 夜汽車はどこまでもゆくよ 夜汽車はゆくよ 夜汽車はゆくよ 夜汽車はどこまでもゆくよ 退屈な男が横になってる 退屈な男が横になってる 夜汽車はゆくよ 夜汽車はどこまでもゆくよ 私の名前も奪い去って 踏みつけた 裸足のまま 私 格子みたい 広がって ままならないな 痩せこけた野犬の目を今も 覚えているよ 眩しいね 戻れないね きっと ここはまだ楕円の中 ひしゃげた車 決意のような産毛が ほら 光っていたよ