Track by新沼謙治
ふけてさびしい 街の灯を ひとり見つめて 飲む酒は 祭りばやしの 音もなく 酔ってくだまく 声もなく すねたフォークの 一節に おもい出したよ おふくろを 酒のこぼれた カウンター 背中丸めて 書く手紙 柿がたわわに 実る木や 赤い夕日の あの山や まぶたとざしたその時に おもい出したよ おふくろを 書いて破って また書いて 酒のグラスの 数もふえ 心やすめる ものもなく 急ぎしらせる こともなく 今日で二十才という夜に おもい出したよ おふくろを