色彩を失くした花は 逃げるように 傷を隠して やがてくる 終末の時を 静かに待つのでしょう 泡沫(うたかた)の日々を 暖かく 包んだ あの花の 匂いは 遥か 遠くへ 咲かない蕾の前で ゆらゆら 行き場もなく 儚い夢を 見ていた まるで蜃気楼のよう 後悔だらけの 蜘蛛糸の中で 蝶は 空に願うの ただそばに いさせて 飛ぶことを忘れた 羽は ゆっくりと 傷を癒して いつかくる 旅立ちの時に 想いをはせるのでしょう 仮初の恋を 鮮やかに 彩る あの花の ぬくもり 二度と 戻らない 咲かない蕾の前で ゆらゆら 行き場もなく 儚い夢を 見ていた まるで蜃気楼のよう 嘘で汚れた 蜘蛛糸の中で 蝶は 風に祈るの ただそばに いさせて 咲かない蕾の前で ゆらゆら 行き場もなく 頬を伝う 涙に 甘い蜜を 溶かして 後悔だらけの 蜘蛛糸の中で 蝶は 空に願うの ただそばに いさせて 咲かない蕾の前で ゆらゆら 行き場もなく 頬を伝う 涙に 淡い夢を 託して 風の流れに その身をゆだねて 蝶は 生まれ変わるの 一輪の 花へと