僕が初めて沖縄にいった時 何となく 物悲しく思えたのは それが まるで 日本の縮図であるかのように アメリカに 囲まれていたからです とはいえ 94年夏の沖縄は Tシャツが体に へばりつくような暑さで 憂鬱なことは全部 夜の海に脱ぎ捨てて 適当に二、三発の恋もしました ミンミン ミンミンと 蝉が鳴いていたのは 歓喜の歌か それとも嘆きのブルースか もはや 知るすべはないが あの蝉の声に似たような 泣き笑いの歌を 奏で僕らは進む いろんな街を歩き いろんな人に出会い 口にした「さようなら」は数しれず そして 今 想うことは 大胆にも想うことは あぁ もっと もっと誰かを愛したい 酒の味を覚え始めてからは いろんなモノを飲み歩きもしました そして世界一のお酒を見つけました それは 必死で働いた後の酒です 戦後の日本を支えた物の正体が 何となく透けて見えるこの頃は 平和とは自由とは何か? 国家とは家族とは何か? 柄にもなく考えたりもしています 生まれた場所を離れ 夢からも 遠く それて あぁ 僕はどこへ辿り着くのだろう 今日も 電車に揺られ 車窓に映る顔は そう ほんの ちょっと くたびれているけれど 神は 我等を救い賜うのでしょうか それとも 科学が それに代わるのでしょうか 永遠で ありたいと 思うのは野暮でしょうか 全能で ありたいと願うのは エゴでしょうか 時の流れは速く もう三十なのだけれど あぁ 僕に何が 残せると言うのだろう 変わっていったモノと 今だ変わらぬモノが あぁ 良くも悪くも いっぱい あるけれど そして 99年夏の沖縄で 取りあえず僕らの旅もまた終わり 愛する人たちと 愛してくれた人たちと 世界一の酒を飲み交わしたのです 最後の曲が終わり 音が なり止んだ時 あぁ 僕は そこで 何を思ったのだろう 選んだ路とはいえ 時に険しくもあり 些細な事で僕らは泣き笑う いろんな街を歩き いろんな人に出会う これからだって それはそうなんだけど そして 今 想うことは たった一つ想うことは あぁ いつか また この街で歌いたい あぁ きっと また あの街でも歌いたい あぁ そして 君に この歌を聞かせたい