きみはその手に 花をかかえて 急な坂道(さか)をのぼる 僕の手には 小さな水おけ きみのあとにつづく きみのかあさんが眠っている ささやかな石のまわり 草をつみながら振り返ると 泣き虫のきみがいた 両手を合わせたかたわらで 揺れてるれんげ草 あなたの大事な人を僕に まかせてください きみがとても大切にしてた 藤色のお手玉 あれは 昔 きみのかあさんが 作ってくれたもの そして僕が大切にしてる 日だまりのような人 それも そっと きみのかあさんが 残してくれたもの 集めた落ち葉に 火をつけて きみはぽつりと ありがとう 彼岸過ぎたら 僕の部屋も あたたかくなる 両手を合わせたかたわらで 揺れてるれんげ草 あなたの大事な人を僕に まかせてください