風のない穏やかな街をゆく 街をゆく 耳元で脈の音 まだ晴れ 陽の匂いとあの温度 混ざる部屋 帰り道 今日はもうケーキ買うまである お湯に溶けた花の色 膝が伸ばせないゆぶねで 掬えば掬う程褪せる 鏡の曇りに絵を描く 綺麗な言葉になって、 静謐のおばけになって 口から出るいのちを 聴こえない声をきいて? こどもとおとなのあいだでゆれてる 季節のない画面の奥 紙で指を切ることもない 水を一口だけちょうだい? ぬるい水だけを飲む日々だ お湯に溶けた花の色 膝が伸ばせないゆぶねで 掬えば掬う程褪せる 鏡の曇りに絵を描く 朝に溶けた花の色 歩く速度を落とすだけ 少しだけ目があついな 雨は降らないでこのまま