煤けた硝子玉 淡い月と碧い夜 それだけを映して 時の函に横たわっていた 優しく触れた指 轉々-くるりくるり-捲かれてく 発条の魔法が 壊れていた魂にかかった 暗く……くすんでいた世界 色を与えてくれた 嗚呼、旋律は この朽ちゆく身すら救済-すく-う 踊ろう 唯、その意の侭 人形に意思は要らない 黄金の繰糸が紡いでくお伽話が 一つだけの真実 それ以外棄ててしまおう 憧れが染み付いた琥珀も 絶望が染み付いた瑠璃も 下限の三日月の欠けた影の一片を 繕ってくれたから 人の形を纏えたんだ 時計の歯車が 轉々-くるりくるり-廻り出す 調律師の振るう 指揮棒-タクト-こそが 命の鼓動-リズム-さ 例え……崩れていく世界 潰えてしまおうとも 嗚呼、構わない そう、痛みなどない救済-すくい- 歌おう 唯、欲しいのは 完璧な環を成す輪舞曲-ロンド- 黄金の琴糸が奏でゆく絢なる調べ たった一つの星 この魂……燃え尽きても 溶けてゆく硝子にも映そう 永遠に消えはしない愛を