夜伽騙る不眠症の 月を待ちわびる蝙蝠が 死晩蟲と声枯らす 咽び泣く花に囲まれて 九十九の火が消えると共に訪れる 隘路の切咲魔 それは逢魔が時にすれ違った 左利きの夜儿にも似ていた 終廻に咲く青い影 幻燈の中で息をする クロマトの記述を ガラスの皮膚に刻みつけ 手を契る 異形の血と流れ 毒薬を 夢の中注ぎ 蚕児 吐き出した 訃音と重なる呼音 影の密葬として執り行われた 数多なる挿話の主人公は 社会機構の支配構造に於ける 見えない主人によって 吹き込まれた文字の飛語であり 暗+ドロイドメルヒェンの 蝋毒劇にて 夕食時のプロレタリアート 無色の少年少女探偵団と メトニミー縫合手術が生される 変装の果でついた指紋 目隠し人形が 小指を噛んで 文字を消し 手を契る 異形の血と流れ 毒薬を 注いで 終廻に咲く青い 最後の灯りが燈り そして消えると共に 次なる虚実が生まれる 書物に記された静寂の傷 赤い呪詛 七人の乗客 忘却の無人駅 言葉仕掛けの着せ替え人形 そして…夜儿と化した青い花 背中を向けた暗室で 蚕児が繭を作り 燈月燈下のスクリーンを 終廻として切り咲く
