透明な身体 気配を消すには 便利だけど 誰も気づいてくれない ヒレも足もない どうしたいもなんもない 海のままゆらゆら それが処世術 だけど 出会ってしまった あたたかいきみの体温 やわらかいきみの肌を 棘で刺してしまうだなんてとても 冗談じゃない もう一度 一度 触れたい もう一度 一度 確かめたい もう一度 一度 触れたら どうしたらいい? 独りの夜に 瞬いてみても 月の眩しさにまぎれるだけ いつかイルカに なって海を蹴る 遠い 遠い きみのもとへ まだなれないや いやいや まだ会えないや いやいや いっせーのーでで飛び込め 渦巻く流れの果てまで ひとつ ふたつ 腕がもげたって 全身とっかえ ちょうどいい 理想イコール空想 とか言って 部屋でしょげてるなんてやめ まともなままじゃ 変われないしもう おかしくなっちゃいたい もしも 出会えたら どういう風に 笑って どういう風に 触れるの ありのままで 素晴らしいなんてとても 冗談じゃない 空っぽのままで 生きてくなんて とても 耐えられそうにないよな もっと注いでよ もっと掬ってよ ほら ほら 生まれ変わる 独りの夜に 瞬いてみても 月の眩しさにまぎれるだけ いつかイルカに なって海を蹴る 遠い 遠い きみのもとへ 沈んで消えないように 滲んで消えないように やらかい泡みたいに ふわ ふわ 浮かぼうか 沈んで消えないように 滲んで消えないように やらかい泡みたいに ぱち ぱち 弾けた