深い森の奥で そっと静かに さだめを背負い生まれた いのちの唄 嘘つきなカラスは言う 「この先には災いがお待ちだよ」 囁くようにキツネは問う 「幸せなんてあるのかい?」 降り積もっては消えていく 惹かれあう音が紡いだメロディー どこまでも遠く響いて 明日を照らすから 舞い散る雪が溶けないようにと 灰色の空は優しく包んで歌うよ 時は流れゆき 褪せる風景 それぞれ二つの星が 辿る軌跡 白鳥は誘(いざな)った 「罰をやろう」と妖しく微笑んで 狼は言う 「罪を背負う必要はない」と 温かく力をそえる それでも 歯車が欠けてしまった物語 独りでもくるりくるりと 廻り続けてゆく 過ぎ去った日々を愛しく思うように 灰色の空は光をそっと届けるよ 願うよ 思い出は故郷へと置いてきたんだ いつかの強がりへ 重なり合う記憶には 寄り添うみたいに 仲良く並びあってる足跡 惹かれあう音が紡いだメロディー どこまでも遠く響いて 明日を照らすから 舞い散る雪が溶けないようにと 灰色の空は優しく包んで歌うよ