子供の頃に 絵本で 読んだ世界では生きられない 雑然とした毎日を 虫歯だらけの笑顔で生きるあの子 帰る家もなく 母親はどこへ どうしようもない父親を待つ日々 路上の生活は 町中遊び場 今日も一日奇妙な日常 風のように自由になれたらいいのに だけどそこに幸せはあるの まっすぐな瞳が突き刺すように 人は簡単に 愛を捨てられない 見慣れた街並み響くコマーシャル 真夏の日の下凍りつくあの子を 横目にひとりまたひとり通りすぎる 毎朝見かける ビルの隙間に ダンボールの絨毯 汚れたぬいぐるみ 毎日の生活に押し流されて 忘れ去れるあの子は吹き溜まり 通いなれた道で ふと見上げた オーロラビジョン 消費されていく 世界の中で 美しい女優がこう語りかける 人は簡単に 愛を捨てられない 見慣れた街並み響くコマーシャル 真夏の日の下凍りつくあの子を 横目にひとりまたひとり通りすぎる 救いの掌を掴むよりも 愛する人の元を離れず 人は簡単に 愛を捨てられない 見慣れた街並み響くコマーシャル 真夏の日の下凍りつくあの子を 横目にひとりまたひとり通りすぎる