悴む手に白い魔法をかけて コートにこの手を戻した 滑り込んだ細い指が絡む 誰にも見えない二人の世界 街行く恋人達は明日を 語り合っているけれど 二人は祈ることしか出来なかった 今を生きて精一杯の思い出 僕だけに押し付けて 輝く世界へと 一人で旅立つの? 流れてゆく時間の中 美しい日々を重ね その笑顔を守っていたい 迎える その時まで 照らす街灯 一つない この道でも 隣に 隣に ずっと僕がいる 春が近づく頃 蕾は花を咲かせずに 大地に静かに舞い降りた あなたは未来を語らず僕を 傷つけずに強く生きた それでも大きくなった愛が残った この世界に あなたのあなたの代わりは どこにもいない 会いたくて 会いたくて 受け止められなかった 流れてゆく 零れてゆく 美しい日々の欠片 その笑顔が蘇るよ ありがとう 出会ってくれて 流れてゆく 流れてゆく 残酷な時間だけが 抜け出せない 二人の世界 あなたが どこにもいない