さざめく街を少し離れて カモメ鳴く波止場を訪ねる 潮風が吹く 冬の海はなんだか少し淋しい 長らく一人黄昏てみて 夕焼けを待つ人に出くわす 彼もまた今日 何か思い立ってこの海に 来たのだろう 雲間の先オレンジのような 揺れる夕日が声をあげ 狂った世をまるで嘆くように 癒すように 僕らの間違った道しるべに 臆病な月も影踏み現れ 渚に浮かんだ遠い日に 思いを託して夜は続く 揺れる木漏れ日 風に舞う髪 愛おしさが心尋ねる 幸せの意味 簡単じゃないこと 分かってはいたけれども 温度なき都会の喧騒にも 季節が巡りはじめて 輝く電飾 まるで星のように 蛍のように 僕らが描いた道しるべに 童の明日は影なき夕闇 渚に浮かんだ遠い日に 未来を託して夜は続く 世界は続く
