ペールブルーのタイルの上で 君が踏む軽やかなステップの 濡れたトーンは催眠術さ 僕の心は眩むばかりのあつい陽炎 プールに溶け出したよ 夏の色が 時計の針は14時をまわった頃さ 影を濃くした白いパラソル まるでそこだけが違う場所みたい 光が強くはね返るので 僕はギリシヤの島の景色を思い出し た このまま二人の時間を固めて 硝子の標本箱の中 鍵をかけてしまいたい…… ぼんやり聴こえるのは 遠い汽笛 異国の管楽器みたいに波に消える ソーダ水を傾けながら 君は淡く滲んだ船を見ている 「遠い国までふたり行きたい」と 君が呟く微かな声が確かに聞こえた