夕暮れ風が吹いて鼻風邪に気付いて 花が降りかかる 冬の残り香がなくなり春が 訪れるもう直に 霧が月を隠す 君のいた街を見下ろして 会えなくなったら愛おしくて 当たり前に気付けなくて 君に 今 花、風に乗って春風になって 残って残っていた 雨がだらしなく降ってまた花は 散っていった 鼻風邪になった四月のこと 目下、 頭上できっと花が咲いていただけ 僕らはいつも潮風の音で 誤魔化していただけ 高架橋の上を行くあてもなく 歩いていた どうか君だけは幸せで 君の夢を見て起きた朝 もう隣に君はいなかった 一度口にした言葉は 涙のように止まらなくて あるいは涙で 少し思い出しただけ いつだって泣いてばかりだった 君はもういない 君の影ひとつ飲み込めなかった僕を 笑っておくれよ 君を過去に想い出になんて したくもないんだよ まだ君の所へ行く 支度もしてないんだ 風が春になったあの日 僕らの恋は枯れたんだ またね