枯れ草と砂埃が 風に舞う町に 侘しい姿の 男がいた 明日をも知らぬ 生き様で 昨日を 見つめていた 煙草に燻された 褐色のギターを手に 草臥れた声で 男は謳う 「心を置いて空っぽにしてみなよ」 と 「今を忘れに行こう」 いつでも手にした あの日の空を いつしか消えた あの子の夢を 男は語り 人は満たされてゆく Hmm … 静かに 誰もが望んだ 変わらぬ日々よ 誰かが壊した かつての日々よ 男の声は 人を旅に連れてゆく Hmm … 静かに やがて灯は消えて 葉擦れの音が占める 旅立つ人の 微笑みを背に 鳥の歌が しじまに満たされていく Hmm … 静かに