渓谷にはたくさんの落し物 街へ向かう人々が捨てていったんだ それらは日陰に根を張る植物の様に 水底で静かに息をしている 人と獣の隙間で子供が大人になる 空と皮膚の隙間に 正しい言語が落下してゆく 此処は君の心を 清潔に扱える最期の場所 僕はずっと見ている 人々の足元で塵を拾って 楽しかったあの日の夕日の色を 誰も答えられなくなってしまった 後の世界で <♪> 警告したはずだったんだけどな 街へ向かう人々は 知らぬ顔で横切った 「身軽になった気分でいるけれど 本当は背負ってゆくべき だったんじゃないか?」 あちらは日向を貪る動物たちが 騒がしく呆気なく幸をいただく 此処に僕の名前を正確に 呼べる人はもう居ない 君はずっと覚えていて 人々の胸元の塵を払って あの子があんな風に 泣いている理由を 誰も説明出来なくなってしまう前に <♪> 今に太陽が落下してゆく 辺りは段々暗くなってゆく 君は僕のことを忘れてゆく 意識が段々遠くなる また 一人 <♪> 空と皮膚の隙間で 夕と夜の隙間で