「遅れてごめん」と言った いつもより紅い唇に 僕はいつもの話し方も忘れて 逃げる雪をつかまえた無邪気な君は イルミネーションさえ霞むほどで 息を飲むばかり 今君の瞳に映って 恋人みたいな距離なのに 言えない想いが浮かんでは白く 消えて いく 今の君も知らない君も すぐに触れたくて 大事にしたくて 今日は帰さない 寒いって僕を見上げた君を 僕とは逆の方で カバンを持ってくれてるのは きっと左手をすぐ奪えるように 同じ季節のはずなのに 僕だけ汗ばんでしまうから 目の前で揺れる指さえ掴めずに 今すぐ肩を抱き寄せて そのまま同じ朝まで なんて勇敢な僕は妄想で消えていく 腕を組んで同じ部屋へ向かう 恋人達が追い越していく 「帰りたくない」 つぶやいてくれないかな 少しうつむいた 横顔が綺麗なのも 煌めく 街の灯りのおかげなんかじゃな いし 君が恋しくて 離れたくないこの気持ちも 震える言葉も 寒さのせいじゃないから 今君と見つめ合って 恋人みたいを越えたくて 浮かんだ言葉じゃ足りないけれど ずっと君を 今の君も知らない君も すぐに触れたくて 大事にしたくて 今日は帰さない 寒いって僕に近づいた君を