「こんな世界」と嘆くだれかの 生きる理由になれるでしょうか これは僕が いま君に贈る 最初で最期の愛の言葉だ 街も人も歪み出した 化け物だと気付たんだ 欲動に巣食った愚かさも 全てがこの目に映る シアトリカルに手の上で 誰も彼も踊らされる 生まれた意味だって知らぬまま 形骸化した夢は錆ついてしまった 「愛をください」 きっとだれもがそう願った 「愛をください」 そっと震えた手を取って 「愛をください」 心を抉ぐる 醜いくらいに美しい愛を 「こんな世界」と嘆くだれかの 生きる理由になれるでしょうか いつか終わると気付いた日から 死へと秒を読む心臓だ ねえ このまま雨に溺れて 藍に融けたって構わないから どうか どうか またあの日のように 傘を差し出し笑ってみせてよ もしも夢が覚めなければ 姿を変えずにいられた? 解けた指から消える温度 血を廻らせるのはだれの思い出で? 雨に濡れた廃線 煤けた病棟 並んだ送電塔 夕暮れのバス停 止まったままの観覧車 机に咲さく花 君の声も 何もかも Ah 最初から無かったみたい 死にたい僕は今日も息をして 生きたい君は明日を見失って なのにどうして悲しいのだろう いずれ死するのが人間だ Ah 永遠なんてないけど 思い通りの日々じゃないけど 脆く弱い糸に繋がれた 次の夜明がまた訪ずれる どんな世界も君がいるなら 生きていたいって思えたんだよ 僕の地獄で君はいつでも 絶えず鼓動する心臓だ Ah いつしか君がくれたように 僕も、だれかの心臓になれたなら