月にかくれて 影 泳いで ぼくは帰る あなたのもとへ 風の背鰭 なびかせて 揺蕩う街 街 流れて わたしたちは もっと 自由でやさしい生き物になれる? 吐いた安い嘘のそばで花が枯れる 道別れる 地図に溺れないように 彼は旗を立てる 魚みたく 必死に水をかいて進んでいく 星が舐める 高速道路のランプは 煌々と 赤く照らす TOKYO 生まれ変わる 都市の心臓 ゆらす この音を尊び 残すことだけを望んだ 狂おしいほど 溢れ出すもの それをなんて名付けようか 誰も答えは知らなかった だから ぼくはあなたに問い ゆだねた 不確かさを厭い 意味を求めた それが大きな過ちだと 気づかないふりをしたまま 甘えることを選んで たどり着いた夜は 凍えそうなくらいに寂しかったから 月にかくれて 影 泳いで ぼくは帰る あなたのもとへ 風の背鰭 なびかせて 揺蕩う街 街 流れて いつか想像していた姿からは かけはなれた 現実 理想 その境目 立派なスーツ 似合う大人になりたかった はずが くたびれたTシャツを着てる 坊や 「にげる」を選択 ツラいことには背を向けて 耳をふさぎ続けてきた 何度も 聞き逃した あなたのくれた言葉 差し出されたまなざしに 応えられなかった ぼくらの昨日 ぼくらの今日 ぼくらの明日 描いた日々の数々 確かめるためにもう一度話したいよ なにが正解なのか わからないとしても 声を交わしあう ときが互いを愛すために必要だって 気づいたんだ 当たり前を とても怖いけど 聞かせてほしいんだ 今 あなたのこと 他の誰でもない あなたのことを 月にかくれて 影 泳いで ぼくは帰る あなたのもとへ 風の背鰭 なびかせて 揺蕩う街 街 流れて 月にかくれて 影 泳いで ぼくは帰る あなたのもとへ 風の背鰭 なびかせて 揺蕩う街 街 流れて……