言葉が無くても、 通じ合う事がなくても、 ありがとうを伝えたくて 冷たい手を握る。 大好きだったな。 嘘もフェイクも空想も童話も 誰かのためについた 優しさだって考え方。 「そんな世界の方が 楽しいでしょ?」って 目を輝かせては語ってくれた。 パンケーキの上、 メープルシロップに溺れながら、 過去の切り分けたい場面を探す。 気泡が空けた穴に落ちない様に 回り道をしながら。 僕が生きる世界は 悪い事ばかりじゃない。 そう思い込んだらそう思えるかな? ガラスで出来た クローシュが開いて、 粉砂糖の雪が降る。 見惚れる僕ら。 大好きなのに 邪魔が入ると自信を無くす。 カッコ悪いのかもな。 間違えているのかもな。 「そんな面倒な事ばかり 云ってたら、 嫌いになっちゃうよ」って 笑顔の意地悪。 パンケーキの上、 メープルシロップに溺れながら、 焦げてしまった箇所を探す。 異物混入でそんなに騒ぐなら、 傷みにも目を向けたら。 僕が生きる世界は 悪い事ばかりじゃない。 そう思い込んだらそう思えるかな? ガラスで出来た クローシュが開いて、 毒々しいベリーを ナイフで遊ぶ時間。 言葉が無くても、 通じ合う事がなくても、 ありがとうを伝えたくて 冷たい手を握る。 パンケーキの上、 メープルシロップに溺れながら、 お互いベタついた体舐め合う。 マナーなんてのは 気にしなくていいから、 真っ白にして欲しい。 僕が生きる世界は 悪い事ばかりじゃない。 そう思い込んだらそう思えるかな? ガラスで出来た クローシュが開いて、 「次は何処へ行こうか」と 飛び降りる崖。 ねぇ、生温かいこの液体が、 溶かしバターだったら 笑えて来ない? 一帯、綺麗に咲いたイヌホオズキ。 失態、なんで泣いてんだろう僕は。 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。 あぁ、今更明日が恋しい。