ひらりと ひとひら ひらりと ふたひらの 御前に舞ゆるは生まれの証か ひらりと ひとひら ひらりと ふたひらの 御前に落つるは散る潔さなのか 嗚呼 夢の終わりはいつも温い溜息 惜しむよに瞼を伏せてみるも 掴めるものなど何も無く 「まぼろしなほうつくし」 はらりと はなびら はらりと ゆめかけら 剥がれて積もるは君への想いか はらりと はなびら はらりと ゆめかけら 剥がれて穢れぬのはただ盲目か 嗚呼 何時も常世の渡りは ひと踏みふた踏みが 針の筵と思えども やわいぬくもり掴んで離さぬ 「この手こそいとかなし」 おどる うすべにに ひとは ひとだけが なにをぞ たくす 嗚呼 空蝉の陰に身を任せても 然と残るのはこの意識 泡沫よりも不確かな我が人生 「おもふひといとあはれ」