春の夜の匂いしてた 煩いほどの静けさの中 甘い空気 肺の奥へ 脈を打つ冷めた記憶 再生 不具合 脳内映像 保存ミスり 一部観れずで 液晶 撫でて 開けて 泣けて 飽きたら途方に暮れる 多分 もう御伽話 月が嘘を見抜く花冷えに 笑い慣れてた悠しみと 永い冬が終わる前に じゅげむ じゅげむ 目の前で 君がいない春が舞ってて 囲む 隠す 色を増す 触れてみたら 一夜分の夢 あくび 視界 にじむ 世界 なので 泥のように眠れど 空洞だらけ 瞼開けて すみか探し 諦めた 黒い鳥が燥ぐ声 月が白けだして花曇り 夜明けの色が薄まれば 宙に迎えが来る頃で じゅもん じゅもん 意味のない言葉 繰り返してばかり ひらり ひかり 集めても 時間は ただ前へと流れて 回る 惑う 回転木馬 逃げて 消えて うたかたの果て 永遠の秘密 明かした後に 全部忘れてしまうから じゅげむ じゅげむ 目の前で 君がいない春が散ってて 変わる 霞む 色失くす 触れてみても目くらましだ 無言 無音 答えない闇に 「さよなら」と気づけば 胸も 息も 冷たくて 冬のまま春が逝くこと、知る。