穏やかな風の音 鳥たちの優しい歌よ 絵本のような世界が つまらない私の日常 曇りガラスに透けて見える 空は濁ったまま 安寧を選んだ者が伸ばす手で何を 掴める? 小さな罅から見えたのは 本当の青空なの? 眩しい光が焼き付いて離れない 心搔き乱す 賭け事に興じる大人はみんな一様に 「知らないほうが幸せ」 なんて同じ顔で微笑う こんな場所で朽ち逝くだけ 甘い香り満ち行く箱庭 私は硝子の向こう側へと 自由に羽ばたきたいだけなの 曇りガラスを突き抜ける 音が心臓を叩く 安寧を選んだ者に絡み付く 静かな終焉 小さな罅は広がるだけ 直せる者はもう居ない 乏しい光を分け合うだけの街に 涙はなく 御伽噺と成り行く過去に いま背を向けて 自分の足で歩む世界を 触れる世界を 知る世界を 自分を信じて