こいをしたのはぼくのほうなんです りゆうもりゆうにならないのばかり つまりぼくにははつこいの人です ほんとうはあの子もすきだったけれど ママなんかよりもずっとやさしいこえで ぼくのしらないうたをうたうんだ あきちでみつけた七いろのほうせきは やっぱりきみにあげるよ 女の子はわからないね なきだしたりきゅうにわらったり 黄色に焼けた 藁半紙いっぱいに、 平仮名だらけの まだ幼き日々。 鼻につく程 生意気な自分に、 時間も飛び越え 吸い込まれてゆく。 雨降りの土曜日。大好きな雨靴ならして うちまで 帰り着けば 捜せど捜せど 鍵が見つからずに 軒先で泣いた、あの日。 涙なのか 雨粒なのか? 泣きじゃくった、おなかもすいた。 ママを見つけ抱きついたね。 「風邪ひいちゃうよ、早く帰ろう。」