黴臭くて馨しい書架の森に二人は 並んで 古臭くて懐かしい扉を捲ってさ 教えてくれたなあ 栞の隣で眠った軽薄な君は いつ目を覚ます? 何気ない僕らの続きを綴る青春文学 タイプライターに向かうのは僕だけ キャレルを飛び出した紙の擦れる音 帰りのバスで語らってさ 花布の上で踊った軽薄な君は いつ日を浴びる? 下らない僕らの続きを綴る大衆文学 タイプライターに浮かぶのは僕だけ 奥付の中消えていった言葉は 知り得ない声音でずっと 響いているのだ! 裏表紙で君を押し殺して 祟られたって仕方がないよな なんて少し変だな僕は