電車は1日2本の駅のそば おばあさんはひとり、暮らしてる 日課はときおり駅まで歩くこと 待合室のノートを開くこと 遠くの知らない誰かのつぶやきに ひとつひとつ返事を書いてます ときどきは、悩みにも答えます 遠くの知らないだれかのこと 思いながら 電車は1日2本 降りる人もない 静かな暮らしだけど、 ときどき駅に行く 待合室のノートを開くときだけ おばあさんは遠くへ旅をする ここにお嫁にきたのは二十歳の春 庭のりんごの木もまだ若かった頃 こどもをおぶって散歩道 踏切で 電車を見送りながら、空を見上げた 夕飯どきには家族で笑い合い ときにはケンカだってしたけれど 時が経った今では、 ひとりで暮らしてる ときどき孫たちが元気に遊びにくる 電車は1日2本 降りる人もなく 静かな毎日だけど、 ときどき駅に行く 待合室のノートを開くときだけ おばあさんは遠くへ旅をする 電車は1日2本 降りる人もない 静かな暮らしだけど、 ときどき駅に行く 待合室のノートを開くときだけ おばあさんは遠くへと、旅をする