ぬるい風 下りのホーム 影は重なっても 心は はなればなれ いつもは 熱いあなたの手が 氷のよう ねえ もうお別れだね とびきりの二人でいたかった 支えあうなんて 簡単だと思ってた あなたと過ごす最後の夏は 二人で歩いた 道の先も かげろうに揺られて もう よく見えなくなった 飛んでゆく 蜩 独り同士 背のびしたような 白いミュール 日焼けの跡だけ 怖いくらい残る あなたがくれた最後の嘘が 甘く優しく 手を解いてく 二人で交わす 最後のキスも 二人で仰ぐ 最後の空も かげろうに揺られて もう よく見えなくなった