夏風がわたしたちの間をすり抜ける 「じゃあ、元気で」 あなたは笑って 触れ合っていた指を離した 昔からあなたは嘘をつく時 右手で頬を掻く癖があったけど 本当に今でも変わらないね さよならを言う夕暮れ時あの公園 何度も笑い合ってたまに泣いて 励ました わたしいつまでも 靡く夏の花びら あなたの声に胸を震わせた たまには名前を思い出してね 指先で触れ合った恋が 淡く淡く光る 想えば想うほど時間があなたを 遠ざける たった一言伝えたい言葉は 最後の夏と一緒に消えていった 公園のベンチ独り眺める線香花火 いつだってわたしの 側にはあなたがいて 今はもう遠い日の光 遠く離れていても わたしの胸にあなたはいるよ 手を繋ぐことはできないけど 通り過ぎていく夏風に吹かれて 靡く夏の花びら 風の声は違う道を告げて たまにはわたしを思い出してね 指先で触れ合った恋が 淡く淡く光って 消えた