藪小路の曲がり角 二人重ねた影法師 油絵のように茜空 色は匂へど散りぬるを 惚れた腫れたの常ならむ 然れどあの日のカタルシス 片喰坂の曲がり角 二人悴む掌に 冬の花火は悲しくて 有為の奥山けふ越えて 戀の羅夢酒に酔ひ痴れて 然れどこの日のグノーシス ──嗚呼 口ずさんだ あの頃の流行り歌 「二つ並んだ 風鈴の音色に泣きました。」 細いかひなの思ひ出と 言の葉刺さる蝉時雨 君と僕の行先は 白いうなじの思ひ出と 言の葉刺さる朝時雨 君と僕の行先は 逃避行 藪小路の曲がり角 二人重ねた影法師 油絵のように茜空 色は匂へど散りぬるを 惚れた腫れたの常ならむ 然れどあの日のカタルシス ──嗚呼 口ずさんだ あの頃の流行り歌 「二つに分けた 鯛焼きの甘さに泣きました。」 細いかひなの思ひ出と 言の葉刺さる蝉時雨 君と僕の行先は 白いうなじの思ひ出と 言の葉刺さる朝時雨 君と僕の行先は 細いかひなの思ひ出と 言の葉刺さる明早し 君と僕の思惑は 白いうなじの思ひ出と 言の葉刺さる暮早し 君と僕の思惑は 逃避行 格子状 どうしよう
