夜の果てに ひとり佇む 割れたガラスみたいな星が光る 誰かが残したコートの襟に 昨日の香りがまだ眠っている 言葉はまるで冷めたコーヒー 心の隅で黒く沈んで もう一度だけ あたためられたなら 甘く優しい朝が来るのかな たとえば私が 風になれたら あなたの頬を そっと撫でていけるのに たとえば私が 波になれたら あなたの影を そっとさらっていけるのに 路地裏で響く 誰かの足音 夜は誰にも優しくなれない 乾いたアスファルトに映る影が どこかで泣いてる気がした あの頃の夢は まだそこにいるの? 答えはいつも ポケットの奥で 鍵もかからず ただ冷たくて 「もういいよ」と 言えたらいいのに たとえば私が 雨になれたら あなたの心 濡らして溶けてしまいたい たとえば私が 朝になれたら あなたの闇を 優しく連れていけるのに 誰もが 何かをなくしては それでも 息をしてる 夜の果て 立ち尽くしても 朝は きっと来る たとえば私が 光になれたら あなたの瞳 照らしてあげられるのに たとえば私が 風になれたら あなたの涙 そっと拭ってあげるのに
