薄明の径に 足跡一つなく 踏みしめた頁だけが 時間を覚える 声を重ねた距離 測りきれぬまま 伸ばした手の形を 映す水面 掬ったはずの 想いはこぼれ 密やかな余白に 名もなく沈んだ 時のほつれ 過ちを映して 藍の深みに ひとり落ちる 宵の隙間へ 祈りを放っても 返るはずない ただ音だけが残る 澄むほどに 痛み増す想い 還ることもできずに 言えなかった一行 守るべきものを 正しさよりも先に 知らなかった あの日の影を もう一度なぞる 歪んだ線が 私の浅さを語った 選び直す径 今はもう無いから 忘れられない声 探し続ける 呪いのように 残酷な希望 消せることのないまま
