お願い、お願い、いま時を止めて お願い、お願い、秘密のアンブレラ 空が灰色の雲に塗り潰されて 泣き出しそうな帰り道 急に降り出した雨に小走りの私 呼び止めたのは君の声 白いビニール傘 そっと私の方 差し出して入れてくれた君 お願い、お願い、いま時を止めて お願い、お願い、ずっとこのままで 短い、短い最寄駅(もより)までの道 二人で、二人で一つのアンブレラ 私が濡れないように 傘を傾けて びしょ濡れになった君の肩 想い寄せる君を もっと好きになっちゃう そんな優しさに触れたなら 君の髪に滴る雫とその笑顔に募る 愛しさと罪悪感 ごめんね、ごめんね、本当は私の 鞄に折り畳みのアンブレラ お願い、お願い、いま時を止めて お願い、お願い、ずっとこのままで もうすぐ、 もうすぐ着いてしまうけど 今だけ二人で一つのアンブレラ 仕舞ったままの 私の気持ちと秘密のアンブレラ