晩春歌 ひと足遅れで 来た春に 旅人泣かせの 小ぬか雨 蝶よ 蝶よ 傍へ来い 二人で雨宿り 水に流した十年は 口では軽い ひと昔 ああ 面影の 忘れな人よ 逢いたい 逢えない 戻れない あの日の 胸に ♪ 素足で地べたを 駆けてみる 裾にからんだ 母子草 花よ 花よ 凛と咲け 儚い夢の舞 悲しいほどに 愛しても 越えては行けぬ さだめ川 ああ 流されて ゆらゆら揺れて おぼれて沈んで 泥になる 名残りの 花よ ♪ 春とは名のみの 肌寒さ ひと雨 上がって 朧月 うさぎ うさぎ なぜ跳ねる 淋しい宵なのに 恋しさつのり 名を呼べば ひさしを抜ける 風の音 ああ はらはらと 窓辺に散った 一片二片 迷い花 心の 花よ ♪
