霧がかかる 切りなく 仕切りに問う まだ行くのか?まだ歩くのか? たどり着いた場所には華は咲いてい るのか? そもそも何処に向かっているのか? いつからか地図を失くし街の中で立 ち止まる 周りの奴らが幸せそうに見える 街頭はちゃんと俺の事を照らしてい るか? ショーウィンドウはちゃんと俺の事 を写しているのか? 分からないことばかりで分かった気 になっちまう なんだかんだ言って自分のことが一 番分からず 草原で星を読む羊飼いになれたら 波の上で風を読む漁師になれたら 大都会東京で迷いまくる日々です 巡りめく情報に振り回される日々で す 誰がどうとかは関係ないからいい加 減空を見上げろ 見上げれば火の鳥が颯爽と滑走し 見るものを圧倒し目の前に降り立つ 「遅せぇぞ あんたが来るのはいつだってギリ ギリだ 悪いな今日も背中を借りるぜ」 迷わず迷える力がある 誰にでも頼れる弱さがある こんな俺にだってドラマはある 死ぬ気でやれば生は輝く 儚く揺れる命の泉で 沈みながら息を吸いギリギリで気づ いた 死ぬために生きているわけないじゃ ん 死後の世界には興味がない それでも毎朝消え入るほどに辛いの はいったいいつ以来だろう 静かに告白しずらい悩みをネットじ ゃなくて暗闇に問うた 途端に吸い込まれていく言葉の虚し さよ 嗚呼なんと無力 進んだと思ったのに戻っているスゴ ロク 先を見る目は未だ鋭く 目の前で追い抜かれるのを 何も出来ず見ていた 明らかに諦めがすぐそこまで来てい た それでも魂は誰にも売れない 俺も高く飛びたい 火の鳥の背に乗り風に乗りそのまま 日本海を渡りきりアジア・ユーラシ アへ シャンハイから明日にはシンアン・ トグファン チベット・トンコウ・マッコウクツ 想像力をエンジンに空を駆ける不死 鳥 情熱に共鳴しシンクロする心臓 空を疾走する様流星の如く 艶やかな色彩虹の如く 羽ばたく翼にしっかりと掴まり 二人だけで歌を歌い暗闇を切り裂き 月明かりを頼りに砂漠や山脈を 越えながらこのまま大陸を跨ぐぞ 迷わず迷える力がある 誰にでも頼れる弱さがある こんな俺にだってドラマはある 死ぬ気でやれば生は輝く ことごとく綻ぶ心の隙間に 今日も乾いた風が吹き込む 孤独ぶって嘆くのは簡単なことだけ ど それを力に変えるのは至難の技だ どこまでも無様でカッコ悪いのは自 分が一番知ってる それでも悲劇のヒロインなんかじゃ なくて 自分の人生の主人公になりたい 「ねぇ 俺今すげぇ強気なこと言った気が する」 火の鳥の耳元で少年は囁く 「でもさ なんかもう大丈夫な気がしてきた んだ」 躊躇いながら少年は続けた 「それよりさ 俺思うんだけどあんたのこと他に 待ってる奴がいると思うんだ だから次はそいつのとこに行ってや ってよ」 「ありがとう 俺は戻るよ」 火の鳥は飛び去り風に乗りそのまま 気づくと元居た場所に戻ったが 以前とは違う自分に気づく いつもより強く言い聞かせる 「迷わず迷える力がある 誰にでも頼れる弱さがある こんな俺にだってドラマはある 死ぬ気でやれば生は輝く」